1・わかり合うたのしさ

  本校では、子どもの思考が深まる学習活動の手立てとして、以下の3点に重点を置いた。

 

(1)素朴な疑問を捉える

 児童が素朴な疑問を抱き、「なんで?」「どうして?」と思うことは、思考の出発点である。そのためには、児童が自発的に考えたくなるようなしかけが必要である。昨年度は、導入部でそのしかけ作りに重点を置いた。しかし、児童の疑問は、その発達段階や学習の習熟状況によっても異なり、子どもの反応によって教師が戸惑うケースもあった。

 導入部で生まれる子どもの疑問は、本単元・本時の目標に向けられたものでなければならない。単元の本質を理解し、子ども任せの展開にならない導入づくりが必要になる。また、子どもが解決したいことが児童たち自身の課題として焦点化されるように、学習のめあても子どもたちの言葉で作ることにした。考えたくなるしかけ作りから疑問が生まれ、めあてをつくるまでの一連の流れをを今年度、導入部の重点項目とした。

取り上げたい問題

(2)価値づけて、つなぐ

 わかっている児童だけが参加できる授業ではなく、すべての児童が参加できる授業をめざしていく。間違いに対して否定的な考え方をするのではなく、解決に至る過程としてどこまで導き出せているのかや、どうすれば解決まで到達することができるのかについて考えるなど、肯定的な捉え方ができるようにする。1つの回答から、意見をつないでより良い解答をクラスで作り出す場面を設定する。そのためには、様々な児童が多様な意見を交換することが必要になる。実際には、課題に対する自己解決の時間等、机間指導の際に児童の意見を把握しておき、どの意見から指名するかという順番が重要になる。

福田小が考える、行けんの価値づけとは?

(3)児童に変容を実感させる

授業のふり返り

 児童の授業の意欲を向上させるためには、授業自体を楽しいと思うことが大切である。そのためには、日々の授業の中で児童自らが成長を実感する必要がある。その際、何をどのようにふり返らせるのかが指導者の中できちんと焦点化されている必要がある。学習内容によって、類似問題を解く、自分の言葉でわかったことを書く等、ふり返りに適した活動は異なる。